諸行無常のお墓、平安時代から受け継がれている仏教原点の墓石の建立
弊社お客様の墓石の工事のご紹介です、豊川市内の曹洞宗のご寺院墓地の五輪塔系の昔ながらの墓石の現場工事の様子です。
この曹洞宗のご寺院の墓地の殆どが、平安時代より受け継がれてきた五輪塔の墓石やその流れを汲む戒名墓(墓相墓)です。東三河地方の墓地の中で、近年では珍しい五輪塔を主体とした墓地と言えましょう。五輪塔の由来は平安時代にさかのぼり、鎌倉時代に全国に普及したと考えられます。その後江戸時代に庶民にも五輪塔づくりが広まり、この地方では、昭和の時代には一代ブ-ムがあり各地域の墓地に建立されました。一方、明治時代頃からは墓地も狭くなり経済的な理由も加味され、1つの家には1つの墓石の建立の新たな考え方で、いわゆる和型の先祖墓が建立され瞬く間に主流になり、現在では新たに個性的な西洋型モニュメント墓が主流に成りつつあります。この為、伝統的な五輪塔由来の墓石を殆ど見かけなくなりました。
【目次】
1.今では希少な、平安時代から受け継がれている仏教原点の墓石の建立のご紹介
1.今では希少な、平安時代から受け継がれている仏教原点の墓石の建立のご紹介
下の写真の様に二段型の墓石で通称墓相墓と呼ばれている形です。この墓石は本来夫婦単位で建立される為、世代ごとに新たな墓石が建立されます。この東三河地方では五十回忌の法要が終わると五輪塔を建て、百回忌のご法要が終わると宝篋印塔を建立する習慣がありました。今回は墓相墓(夫婦墓)の形の、全てのご先祖様を納骨する先祖墓の設置工事の様子です。
下の写真の中央に見えているのが納骨用の穴ですが、以前は骨穴は無く墓石の左右に穴を掘って納骨をしていました。この様に平安時代から鎌倉時代を経て現代に受け継がれている伝承のお墓でも、時代と共に墓石の形や構造なども改良され、今の時代に合った形に変わっています。
伝統の墓石とは言えども現代の世相に合わせて、複数の故人が納骨できる形に変貌しています。
墓石の一番上の石に彫られている〇は、『Oは禅宗の悟り』を意味を表しています。その下にOO家先祖代々之霊位と彫られ、この文字の内容も東三河地方で昔から受け継がれている変わらない表記です。この墓石は今風に改良される箇所もありますが、反面、伝承の流れを変えてはいけないという教えも反映され、今に受け継がれています。
正面の〇の彫りは、禅宗の悟りの意味を表しています。
下の小物の正面には、家紋『丸なし蔦』が彫られています。以前では家紋は、家系の象徴とされ、お仏壇や提灯、墓石や神様の社などに用いられ代々受け継がれてきました。近年では家紋を使用する機会が殆どなく、ご自分の家の家紋が判らない方もいらっしゃいます。
大きな石の丸香炉は、このご寺院様のオリジナルな形やサイズで、この墓地の殆どの墓石には、同じ様な丸香炉が使用されています。
このご寺院の殆どの墓地には、【赤土】が使用されています。今では赤土は貴重で、豊川市周辺では需要が無い為、直接販売しているお店は無くなりました。このご寺院の赤土は本当に赤見がかっていて、石が赤く変色してしまうほどです。貴重な赤土を大切に使用して頂ければと思います。
宜しけれは、弊社ホ-ムペ-ジ内、墓石の施工・納品事例もご覧ください。
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